『学童疎開の思い出』

屋根改修中の北広島市本地の専教寺を訪れました。
昭和20年、小学6年生だった父が4月~9月まで
半年を過ごした思い出深いお寺です。
広島市中心部の神埼小学校の児童27人は
このお寺へ学童疎開させていただき
被爆を免れる事ができました。
積雪地特有の赤い瓦がすっかり降ろされ、普段は
見ることのできない小屋組みを見上げる私に
「疎開の方々が一番懐かしがるのはこの階段です。」
と、お寺の奥さんが声をかけてくださいました。
階段の手摺にもたれて、面会に来る親を
今か今かと待つうちに、段板の模様を
すっかり覚えてしまったのだそうです。
親元を離れて心細い70年前の都会の児童達を
村人と共に見守ってくれた、大きな木造のお寺、
感謝の気持ちをこめて手を合わせました。

坂井