『北斎の木挽き職人』

天王寺の大阪市立美術館で開かれた
「葛飾北斎/風景・美人・奇想」の展覧会に行ってきました。
会場は長蛇の列で北斎の人気の高さにびっくりです。
 
北斎といえば冨嶽三十六景の「赤富士」や「大波」が有名ですが
家づくり関連の作品をさがすと「遠江山中」がありました。
巨大な材木に乗って木を挽く職人の姿が
桧舞台の主役のように生き生きと描かれています。
大きい三角形の支柱の前に子守の女性の姿があり
支柱の間に見えるのは遠く雲に巻かれた富士の山。
たき火の煙がもくもくと立ち上がり、山村に生きる人々の
日常の暮らしが力強くに表現され、心を打たれました。
 
木の家づくりに打ち込む江戸時代の職人の心意気は
「雨楽な家」にも脈々と受け継がれています。

荻野