『超芸術』

街をふらふら歩いていると、何がどうなってそうなったのか、
まったくもって理解不能な物体に出会うことがあります。

上がっても行き止まりの階段。
ベランダも何もない2階の外壁面になぜか存在するドア。

もともとは何らかの事情があってそうなったのでしょうが、
周りの環境が変わり、使い手も変わり、いつしか周囲と
完全に孤立してしまい、えも言われぬ違和感を醸し出す物体。

このように創作者がまったく意図していなかったにも係わらず、
見るものに芸術性を感じさせる物体を「超芸術」と言うそうです。

東京の下町に住み着いた外国人の若者に言わせると、
日本独特の、切って貼ったような雑多な町並みが
たまらなくクールなのだとか。無意識といいながらも、
これが日本人独特の感性かもしれないですね。

高橋健二